ジョコビッチ問題をオーストラリア国内から考えてみる

ジョコビッチ問題をオーストラリア国内から考えてみる

こんにちは、ボビーです。

先日、ジョコビッチの帰国ということで終了したこの問題。

オーストラリア国内に住んでいる日本人として考えてみたいと思います。


以前に書いたブログ記事はコチラです。

ジョコビッチ問題を考えてみる オーストラリアテニス協会が出場を認めた経緯とは?

前のブログの時では

ジョコビッチが裁判で勝利

が確定していました。

皆がこれでようやくジョコビッチが全豪オープンに出場できると思っていた時期です。


その後、

オーストラリアのアレックス・ホーク移民相がその裁判での入国ビザを再度却下

そして、最終的にジョコビッチは入国できないことになり、帰国しました。

ここで、なぜ裁判所が認めた入国を移民相が却下したのでしょうか?


以下、その時のニュース記事です。

元サイトはコチラ。

news.co.auによると、オーストラリアのアレックス・ホーク移民相がノバク・ジョコビッチ(セルビア)の入国ビザを再度キャンセルした理由が法廷の文書で明かされたという。ホーク移民相が語った理由は以下の通り。

「ジョコビッチ氏がオーストラリアに滞在することで、市民の健康を危険に晒すリスクが高まるかもしれない。彼の存在が国内でワクチン接種を拒んでいる人々にとって、反ワクチン気運を高めてしまう恐れもある。その他のワクチンを接種していない人たちも、打たない方向に流れてしまう。そしてワクチンのブースター接種を受ける人も減ってしまうだろう」

 コロナ陽性発覚後に対面でのインタビュー取材を受けるなど、その行動も人々に与える影響が大きいと考えているようだ。

「さらにジョコビッチ氏が過去に新型コロナウイルス(COVID-19)の検査で陽性を示したあとに、隔離義務を無視したという証拠がある。ジョコビッチ氏のスポーツ界と地域社会におけるロールモデルとしての高いステータスにより、オーストラリアにこれ以上滞在することでコロナ陽性が判明したあとに求められる行動を無視するケースを増長させるかもしれない。特にコロナ検査のあとに人々の健康を守るための行動を取れなかったことは、他の人々へ多大な悪影響を及ぼす恐れがある。彼の行動は、他の人々の健康を害する深刻なリスクがある」


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私はこの移民相の公式発表をみて、とても正直だと感じました。

つまりは、ジョコビッチは裁判所で法的な入国は認められたが、オーストラリア政府としては危険人物と見なされて入国を拒否されたのです。

オーストラリア政府がジョコビッチの何を危険視したかと言うと、上記の、

「ジョコビッチ氏がオーストラリアに滞在することで、市民の健康を危険に晒すリスクが高まるかもしれない。彼の存在が国内でワクチン接種を拒んでいる人々にとって、反ワクチン気運を高めてしまう恐れもある。その他のワクチンを接種していない人たちも、打たない方向に流れてしまう。そしてワクチンのブースター接種を受ける人も減ってしまうだろう」

という部分です。

ジョコビッチの入国を認めてしまうと、オーストラリア国民がワクチン接種を行わない可能性が高まる

からです。

逆に言えば、

ジョコビッチの入国を認めなければ、オーストラリア国民のワクチン接種率(ブースター接種)を高めることができる

ということになります。

それが理由です。


この公式発表が、私にはとても正直だと感じられたのです。

ジョコビッチの入国書類や入国前の行動が問題ではないということです。

もしジョコビッチの入国を認めてしまうと、

オーストラリア国民のワクチン接種率が低下する可能性があることが問題だったということです。



オーストラリア国内でも勿論この判断には賛否両論がありました。

ただ、オーストラリアに住んでいる私からすると、メディアから伝わる情報やTwitter、他のブログなどを見ていても、

大半のオーストラリア国民はこの移民相の決定を支持した

と感じています。


この移民相の決定前には、オーストラリアのニュース番組のキャスターがジョコビッチのことをひどく罵倒する映像が流出しました。

以下、その記事からの抜粋です。

ジョコビッチ騒動余波…豪ニュース番組キャスターの「放送禁止用語連呼ジョコ批判」“オフレコ映像”流出で大騒ぎもネット民は支持

SNS上にリークされて流出した映像は、約1分29秒のオフレコ会話。豪州で放送されている夕方の人気ニュース番組「セブンニュース」でジョコビッチの全豪オープン出場を巡るニュースを伝えるオンエア直前の2人のキャスターの生々しいやりとりだ。
 マダーン氏が、「どんな見方をしてもジョコビッチは嘘つきと。卑劣なクソ野郎」「彼の周りはみんな疲れ切っていて残念なこと」と語りかけるとアモール氏も同調した。
「彼はクソ野郎だ。でたらめの言い訳ばかりで自分で嘘を固めている。それが今起きていることだよ」


このニュースが伝えていることが、大半のオーストラリア国民がジョコビッチに対して感じている正直な気持ちだと思います。


大半のオーストラリア国民は、ジョコビッチを嘘つきで卑劣なクソ野郎と思い、移民相の判断を支持したのです。

その根底あるのは、

ほぼ全てのオーストラリア国民がワクチン接種済み

という事実です。

特別扱い(他者)を排除しようとする全体の意識だと思います。


しかしながら、私はジョコビッチを批判はしたくありません。

私が一番、卑劣なクソ野郎と思うのは

オーストラリアのテニス協会

です。

テニス協会が特例を認めてジョコビッチを招集した

ことが一番の間違いなのです。


テニス協会がワクチン未接種は試合に出れないという毅然な態度をとり、ジョコビッチを招集しなければこの問題は起こらなかったのです。

公式に招集されオーストラリア来たジョコビッチは、嘘つきでも、卑劣なクソ野郎でもないと思っています。

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前のブログでも書きましたが、この一連の問題が最初から仕組まれていた政治的、若しくは商業的なシナリオだったのかもしれません。

そう考えても、呼ばれたから来てみたら拘束されたジョコビッチには、

私は同情さえすれど、批判する気持ちにはなれません。(もしジョコビッチもこのシナリオの一員であれば勿論違うが)


ジョコビッチが拘束後、オーストラリア国内メディアはジョコビッチが提出した書類にどんな不備があったのか?

そして、ジョコビッチがオーストラリアに入国前にいかに不自然な行動をしていたのか?

ということを徹底的に報道して、一気にジョコビッチのイメージをオーストラリア国内で悪者にしました。

ジョコビッチを批判する他のテニスプレーヤーの発言も大きく感情的に取り上げました。

その結果が、前出のニュースキャスターの発言につながっていると思っています。


確かにそのニュース報道は事実かもしれませんが、今回の問題の最終判断には全く影響はないことです。

最終判断はただ一つ、

オーストラリア政府がジョコビッチをワクチン接種を妨げる危険人物と見なした

という一点です。

司法の法律的な判断ではなく、政府からの強制排除指示が勝利した

ということです。

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